2012年12月18日火曜日

浦壁伸周(うらかべのぶちか)・特許 「アパタイトの経皮端子の発明」 ポイント②アパタイト経皮端子の開発

アパタイトは、骨組織と同様に皮膚組織とも親和性に優れていることが、当社の研究で明らかになり、長期間皮膚を貫通した状態で感染を起こさず留置しておくことが可能となった。

アパタイトをボタン型に成型し、一部を体外に露出させた形で皮膚内に長期間埋め込んでも、感染や炎症はほとんどなく、もちろん脱落もない。

しかし、他の材料では、早期に皮膚組織との間にすき間をつくり、感染してしまうケースがほとんどだった。

このように、皮膚を貫通した状態で長期間留置しておくための装置、経皮端子を用いた全く新しいCAPD 用カテーテル及び、血管内留置カテーテルを開発した。


CAPD は、連続型携行式腹膜透析の意味で、従来から行われてきた血液透析に代わる新しい人工透析として10数年前北米で開発された方法である。

血液透析は、1日おきに病院に行きベッドで約3時間横になったまま透析を受けなければならず、患者の負担は大変なものである。
もちろん、仕事を続ける上で大きなハンディキャップとなっており、患者の社会復帰を阻んでいる。

一方、CAPDは、腹腔内に透析液を数時間溜め腹膜を介して少しずつ自然な透析が行えるため、面倒な通院から解放される。

しかし、このCAPDにも大きな欠点がある。
それは、透析液を出し入れするため、体外から直接腹腔内に押し込んであるカテーテルに沿った細菌感染である。
カテーテル出口部及び皮下トンネル部での感染、腹腔内での腹膜炎です。

私の開発したアパタイト経皮端子は、これらの感染を大幅に減少させることが明らかとなっている。
したがって、感染に対する患者の不安が取り除かれることになり、その社会的貢献は大きいと考えられる。


一方、血管内留置カテーテルはすでに上市され、主に栄養液の連続的補給法である経皮静脈栄養療法に使用されている。



図1 アパタイト経皮端子











図2 血管内留置カテーテル










図3 血管内留置カテーテルの臨床例










図4 アパタイト経皮端子を使ったCAPD療法













図5 アパタイト経皮端子を使った血管内留置カテーテル(経皮静脈栄養療法)













『否定学のすすめ』(浦壁伸周(うらかべのぶちか)著・プレジデント社刊)公開講座
否定学の具体的事例 ~特許編~「アパタイトの経皮端子の発明」